このページの先頭です このページの本文へ

ここから本文です

帯状疱疹たいじょうほうしん

Herpes zoster

わからない言葉があったら、文字をなぞって検索できます。詳しくはこちらをご覧ください。

どんな感染症か

 体の左右どちらかの片側に、帯のように水ぶくれ(水疱すいほう)の集まりができる疼痛を伴う病気で、水痘すいとう・帯状疱疹ウイルスの感染で起こります。

 子どもの時にほとんどの人はみずぼうそう水痘)にかかります。しかし、それが治っても、このウイルスは三叉さんさ神経(顔面を支配)や脊髄せきずい神経(顔面を除く体の皮膚を支配)の知覚神経節に、遺伝子の形で潜伏しています。

 それが長い期間をへて、ストレスや過労などで体の抵抗力が低下すると、遺伝子の形からウイルス粒子に変わって再び活動を始め、神経を伝わって皮膚に現れて炎症を起こします。これが帯状疱疹です。



症状の現れ方

 まず神経痛のような痛みが起こり、その4、5日後に同部位に虫に刺されたような赤い発疹ができ、次第に水疱に変わります。その後、膿疱のうほう(水疱が化膿してうみをもつ)、痂皮かひ(かさぶた)となって約3週間で治ります。免疫力が非常に落ちていると、全身にみずぼうそうと同じような発疹が現れます。また、深い潰瘍を形成し、あとになってしまうこともあります。

 痛みは、まったくないものや、夜も眠れないような激しい痛みなどさまざまですが、一般に高齢者は激しく、発疹が治っても半年から数年以上痛みが続くことがあります。これを帯状疱疹後神経痛といいます。

 また、糖尿病や副腎皮質ステロイド薬を投与されている患者さんでは、最初は痛みを感じなくても1~2週間後に激しい痛みを伴うことがあります。

 あごや耳から首にかけてできる帯状疱疹は、ラムゼイ・ハント症候群といって、難聴顔面神経麻痺味覚障害を合併することがあります。性器にできる帯状疱疹では、便秘になったり尿が出なくなってしまうことがあります。

 患者さんのうち約1%の人は、2回以上、帯状疱疹になります。


検査と診断

 症状から診断できますが、虫刺され、接触皮膚炎、単純ヘルペス丹毒たんどくと区別する必要があります。発疹の一部をはさみで採取して顕微鏡で細胞を観察する方法、ウイルスを分離する方法や、ウイルスの抗原または核酸を検出する方法で診断します。



治療の方法

 早期の場合は、抗ウイルス薬(ゾビラックス、バルトレックス、ファムシクロビル)の内服が通常の治療ですが、重症の時は入院し、抗ウイルス薬の点滴静脈注射を行います。痛みが激しい時や麻痺がある場合は、副腎皮質ステロイド薬を投与します。

 膿疱や潰瘍ができる時期になると抗ウイルス薬は効かないため、できるだけ早く投薬を受ける必要があります。早期の抗ウイルス薬の投与で、帯状疱疹後神経痛を予防できるといわれています。

 水痘ワクチンを50歳以上の人に接種すると、帯状疱疹や帯状疱疹後神経痛の予防になるといわれています。


病気に気づいたらどうする

 できるだけ早期に皮膚科を受診し、抗ウイルス薬を処方してもらいましょう。はじめはひどくなくても、あとから悪化することがあります。坑ウイルス薬は内服後3日目から効いてきます。

 また、みずぼうそうにかかっていない人にうつしてしまうこともあるので、治るまでは接触を避けましょう。


執筆者(敬称略):本田 まりこ

  • :画像ページに移動します。

出典:六訂版 家庭医学大全科

発行:株式会社法研

掲載情報の著作権は提供元企業等に帰属します。

執筆者一覧を見る

キーワードで探す

本文はここまでです このページの先頭へ