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乳管内乳頭腫にゅうかんないにゅうとうしゅ

Intraductal papilloma

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どんな病気か

 乳管内に乳頭状の構造をもった良性疾患です。乳管内に、正常より腫瘍に似た腺細胞が増殖するものを“異型乳管上皮増殖症いけいにゅうかんじょうひぞうしょくしょう”といいますが、乳頭腫はこの病変より異型がさらに強く、高分化型の「非浸潤性乳管ひしんじゅんせいにゅうかんがん」との中間に位置するものと考えられています。実はこの3つの病変の区別は主観的なもので、非常に難しいのです。



原因は何か

 明らかな原因は不明です。乳頭腫はほとんどの症例でホルモン受容体が陽性なので、卵巣ホルモンが何らかの影響を与えているものと思われます。

 また、本疾患は高率に乳腺症に合併するので、年齢的な要因も関係している可能性があります。乳頭腫そのものががん化するとは考えられていませんが、将来乳がんを発症するリスクが高い病変として注意を要します。


症状の現れ方

 多くの例で乳頭分泌が自覚症状となります。分泌物は茶褐色ないし赤い血性のものであり、分泌量は下着に付着する程度から大量に乳汁様に出るものまでさまざまです。また、最近では乳がん検診の際に超音波で腫瘤しゅりゅうとして発見されることも多くなってきました。分泌物が乳腺内にたまると腫瘤として触れるものもあります。



検査と診断

 乳頭腫の診断は難しいものです。乳腺疾患の検査である乳房X線撮影や超音波検査では、乳頭腫に特徴的な所見はありません。一部の症例では、超音波検査で拡張した乳管や一見すると良性の腫瘤像が認められることがあります。

 乳頭分泌のある症例では分泌物の細胞診が有用ですが、必ずしも確実に診断できるわけではありません。

 腫瘤がある症例では針生検を行うことが可能ですが、最終的には患部を切除して病理検査をしなければならないこともあります。一部の施設では乳管内視鏡を使っていますが、まだ信頼できる段階に至っていません。


治療の方法

 乳管内乳頭腫であると診断されたら、経過観察が原則です。非浸潤性乳管がんとの区別が難しい疾患であること、将来乳がんを発症するリスクが高いことを考えると、定期的な乳がん検診が欠かせません。予防的な乳房切断は必要ありません。


病気に気づいたらどうする

 乳頭分泌で発症することが多いので、ただちに専門医の診察を受けます。とくに閉経期あるいは閉経後では症状のよく似た乳がんとの区別が重要です。診断には時間がかかることが多いですが、焦らず段階を踏んで検査を受けるべきです。


関連項目

 乳がん


執筆者(敬称略):馬場 紀行

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出典:六訂版 家庭医学大全科

発行:株式会社法研

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