ここから本文です

現在位置:Yahoo!ヘルスケア>「このまま育てて大丈夫?」ひとりで悩むその前に~不注意・多動性・衝動性が特徴の小児期ADHD

「このまま育てて大丈夫?」ひとりで悩むその前に~不注意・多動性・衝動性が特徴の小児期ADHD

ADHD(注意欠如・多動性障がい)は、乳幼児期から成人期までの広い年齢層で見られる発達障がいの1つです。適切な支援がない場合、本来の能力が十分に発揮されず、1日を通した日常生活や学習、将来的には就労などでつまずくことがあります。

主な症状は、以下の3点です。

不注意、多動性、衝動性

こうした行動は周囲には障がいだとは認識されないケースもあり、「乱暴な子」とか「悪い子」などと思われてしまいやすく、さらに親の育て方が悪い、などの誤解を受けることもあります。しかし、ADHDは育て方やしつけが原因ではないし、本人の努力が足りないわけでもありません。脳の発達の特性が関係しているのです。

ADHDの症状が、今現在だけではなく、将来的にお子さんにどのような影響を及ぼすのでしょうか? 発達障がいの専門家である河野政樹先生に、ADHDの症状がお子さんにもたらすこと、治療することの意味について聞きました。

専門医に聞きました! 小児期ADHD Q&A

広島県立障害者療育支援センター

わかば療育園 園長

河野 政樹 先生

小児科専門医、小児科指導医、臨床心理士、NLP認定マスタープラクティショナー・ トレーナー・コーチ。専門は小児心身症(不登校/摂食障がい)、発達障がい。

日本小児心身医学会理事・中国四国地方会会長、一般社団法人日本医療福祉コミュニケーション協会代表理事。

Q.ADHDの子どもは、どのような心理状態なのでしょうか?

A. 保護者や先生が怒りがちになることで、自分自身にどんどん自信がなくなるお子さんが多く見られます

ADHDの特徴があらわれることで、保護者や学校の先生方はついお子さんに怒りがちになります。「これをしちゃダメ」「立ち歩いてはダメ」などと、行動を禁止する表現も多くなります。しかしその叱られ体験が日々積み重なることで、お子さんは自分自身にどんどん自信がなくなり、「どうせ僕は何をやってもダメなんだ」と考えるようになります。お子さん自身は、なぜ自分がそのような行動をしてしまうのかが、わからないのです。

Q.子どものADHDはどう治療していくのでしょうか?

A. 子どものADHDは「本人らしさ」を包む「殻」のようなもの。その殻を取り除くために、環境調整や作業療法、薬物療法などを組み合わせて治療を行います

ADHD症状は、本当の子どもの姿を見えにくくする「殻」のようなものだと私は考えています。その「殻」のために本人らしさが損なわれてしまっていることが、一番の問題なのです。

治療を進める中でその「殻」が取れた時に初めて本人らしさが出てきて、「この子はこんなに優しかったんだ」「この子はこんなに思いやりがあったんだ」「この子はこんなに本が読めたんだ」「この子はこんなにスポーツができたんだ」というようなことが出てくることがあります。

それがお子さんの将来の自信につながるのです。その殻を取り除くための具体的な治療方法としては、症状がうまくコントロールできるように環境を調整したり、保護者の方にお子さんと関わる際のポイントをアドバイスしたり、作業療法、薬物療法などを組み合わせて行います。

Q.子どものADHDは成長すれば自然と治るのでは?治療する必要があるのでしょうか?

A. 早い段階で治療をスタートしてあげることで、自尊感情を傷つけることなく、スムーズに生活を送れるようになります

ADHDを治療することの目的は、お子さんが自信を持って社会生活を幸せに送れるようになることです。

「社会生活」とは子どものうちは学業が主になりますが、将来的には仕事や恋愛、そして自分の家庭を築いていくということも含まれます。 子どもの心理学では、スムーズに生活を送れるようになるための基礎は10歳くらいまでにつくられると言われています。

しかしADHDの特性を持っているお子さんの多くは、10歳までに失敗体験ばかりを積み重ねてしまうことになります。それはやはりお子さんにとっては非常につらいことです。早い段階で治療をスタートしてあげることで、「僕はできるんだ」という成功体験を積み重ねていくことができるのです。

20年後のお子さんの人生を想像してみましょう

「元気がいいだけ」、「調子に乗っているだけ」などという「今のところ、とりあえず」という捉え方ではなく、20年後のお子さんの人生を想像することがとても大切です。私自身もお子さんの将来像を想像しながら治療しますし、保護者や学校の先生方にも「今」がいいからではなく、今のこの症状や状態が20年後のお子さんの人生にどのような影響を及ぼすのかということを考えながら、お子さんと向き合っていただきたいと考えています。

決してお子さんの将来の可能性を悲観するのではなく、本人の中にある可能性を、今まで気付かなかった「宝箱」と考えてみてほしいです。その宝箱を開けてみて、どんな宝物が中に隠れているのかを見つけていく。そんな宝探しを楽しむことを子育てと考えてお子さんと向き合っていくことが、お子さんの素晴らしい人生につながっていくのではないでしょうか。

提供:日本イーライリリー株式会社
制作:株式会社QLife

本文はここまでです このページの先頭へ